ハイファイ堂メールマガジン

あの音にもう一度出会いたい第7話「SANSUI AU-111」　2006年2月17日　近藤賢二　現在サンスイと聞いても「そんな優れたアンプを造っていたの！」と言われるくらい、若い人は知らないメーカーという印象があるのではないか。昔は高級オーディオメーカーとして、我らオーディオマニアは本当に憧れたものだ。実際AU-111を長年愛用していたので、このアンプの手のこんだ造りと、音質の良さ、その凄さが分る。ジャズ系の音楽再生にピッタリで、ブラックサンスイのイメージが本当にかっこよかった。1965年に発売されたサンスイの「真空管アンプの終着駅」とまで言われた名機AU-111。サンスイで長い期間続いたブラックフェイスの最初の機種だったと思う。現在でも、当時の憧れの機種として記憶に留めている年配のマニアも多くおられると聞く。（写真は秋葉原店在庫のSANSUI AU-111　2006年1月メーカーメンテ済　税込150,000円）

	サンスイの管球アンプの最後を飾るハイパワー(45W×2)、パワー管は6L6GCで現在でも入手できるから、真空管交換に困ることはない。今だ愛され続けている名機中の名機でもある。オリジナルのAU-111は当時かなり高価だった（大卒初任給の3ヶ月分くらい）にも関わらず断然人気が高く、かなり売れたときく。現在でも何とか入手可能である。「トランスのサンスイ」といわれただけあって、使用されている出力トランスは、当時のサンスイの技術の全てが注ぎこまれたものである。この時期サンスイはJBLスピーカーをヒアリング用に使用していたという。パワーアンプ部の回路構成はムラード型で、6L6GC出力管と強力スーパーワイド出力トランスによる管球式になっている。プリアンプ部はイコライザーの初段のみトランジスタを1石使用している以外は全て管球式で少ない増幅段構成で高性能を狙っていた。
何しろこのアンプの音質が好きであった。音は分厚く骨太で低音が豊かでゴリッとしたその音質にはゾッコンだったし、まさにこれはダイナミックさを狙うジャズには最適なアンプでもあった。さすがサンスイである。当時JBLスピーカーの輸入総代理店でもあったことが、サンスイアンプ技術陣の高さを向上させたのであると思う。JBLに実によくマッチングさせた音、いわばマッキントッシュアンプ並みの音造りがその根源になっている事が、このアンプで聴けば一番理解しやすい。また、このAU-111とAU-222,AU-777,AU-888等々ブラックフェースと銀色に輝くメタルノブは、なぜか現在のマッキントシュアンプに通ずるところがある。90年代後半オーディオ各社が真空管アンプブームで盛り上がった頃を見計らってサンスイが再び登場させたのがAU-111(G)vintageであった。昔のフェースそのままに、近年常識となっているプリント基盤はあえて採用せず、手間隙かかる、性能がもっとも良好であるラグ板、手ハンダ配線で当時のままに復元されたのは驚異である。復刻発売されてもすぐ完売となった人気アンプであった。　青春のころ感動した名機、懐かしい「あの音にもう一度出会いたい」

大須本店

〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須3-14-37 (052)249-2600

秋葉原店

〒101-0021 東京都千代田区外神田5-3-12清和ビル1F　3F (03)5818-4751

日本橋店

〒556-0005 大阪市浪速区日本橋 4-6-9 (06)4396-7611

福岡店

〒810-0041 福岡市中央区大名2-6-40 文學の森ビル1F (092)724-3681

営業時間

11:00～20:00／福岡店のみ水曜定休

お問い合わせはこちらをクリック

株式会社ハイファイ堂トップページ