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オーディオとジャズに魅せられて　第44話「だからオーディオは・・やめられん！」その2　12月9日　近藤賢二　最近、パワー、プリアンプをMclntoshのMC602、C46に替えて、その潜在能力を発掘するため様々な挑戦を続けている。
究極のオーディオ再生システムとされる、パワーアンプ２台使っての2ウェイバイアンプ方式はJBL4344ＭＫ2ではバイアンプ駆動への切り換えができるので、過去に一度試みたがアンプ同士のゲイン、ネットワーク、クロスオーバー等が上手くマッチングしなかったため惜しくも断念した経験がある。バイアンプ駆動を成功させるためには、経済的負担は大きくなるが、やはり同じ高性能なパワーアンプを２台使うのが理想だ。その分満足感も倍増するであろう。しかし、バイアンプ駆動以外で挑戦し続けてきた成果がようやく実を結び、大きな喜びとなった。ハイクオリティで素晴らしい高音質に生まれ変ったのである。非常に難しいとされるJBL4344MK2の4ウェイでのロスをいかに減少させるか。うまく使いこなせれば、「現在設計のスピーカーを上回る凄い音が出せる」という情報も得ていた。「正しい音を出せるスピーカーは多いが、凄い音が出せるスピーカーは少ない」この言葉を聞いただけで身震いがしてくる。「もうここは験しに何でもやってやろうじゃないか！」そこでせき止められているエネルギーをどこまで上手く放出させるか。嬉しいことにそこには期待した以上に大きな音質改善が見られたのである。

スピーカケーブル接続でいちばん性能効率の高いバイワイヤリング方式でも、シングルワイヤーの接続方法によって音質の再現性は、そのスピーカーにもよるが極端に変化する。しかしここで取り上げる例は高音質化に向けた接続方法であり、実際に体験し勝ち得たものである。それは結線を+が低域（ウーファー側）で-が高域（ツィーター側）で結線する、つまり、たすき掛けに繋いでみた。（ジャンパーケーブルもそれに対応する）この接続がオリジナルジャンパーでも、一番バランス良く鳴るようだ。好みにもよるが、やってない方は是非一度験してみる価値がある。試聴したCDアルバムは「スウィート・ロレイン/アンドレア・ポッツア・トリオ」TKCV-35347と「アンド・ソー・イズ・ラブ／リタ・クーリッジ」KICJ-485である。ピアノ、ベース、ドラムス、三位一体での今まで聴いたことのない再現性で、定位がキチッと決まり、位相のズレも全く見られない。これはどうしたことか、全域にわたってスムーズに伸びてゆく。ゆったりした音像空間と、音離れも抜群だ。スピーカーは見違えるように鮮度を高めて、コントラストの高い表現力を発揮してくれているではないか。その一音が発せられた瞬間「いやぁ〜これはいいじゃないか！」かたずを飲んで聴き入っていた。また「この見事な再現性は骨身にしみる」と、思わずリスニングチェアの肘掛けを堅く握り締めていた。（つづく）

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