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オーディオとジャズに魅せられて　第43話「だからオーディオは・・やめられん！」その1　12月2日　近藤賢二　現在のスピーカーはバイワイヤリング型端子が標準になっている。この機能を生かせば理想的な条件で動作してくれる。オーディオリスナーであればバイワイヤリング方式はご存知であろう。スピーカーケーブルを2本使って低域（ウーファー）側、高域（ツィーター)側のユニットに別々に接続する方式である。この方法は14、5年前にイギリスのスピーカーで採用され始めた。現在では世界中殆どのスピーカーメーカーがバイワイヤリング仕様となっている。バイワイヤリングシステムで、理想とするのは低域とそれ以外のユニットに別々に接続する方法である。この場合クロスオーバー・ネットワークも低域側と高域側に別れていなければならない。だから別々の端子を持つわけである。バイワイヤリングは2本の同じケーブルを使って行うのが理想であるが、しかしそれが無理な場合があるのも事実である。ことにある程度高額なケーブルになると外径はかなり大きい。太いケーブルを2本使うことは見た目にも良くないし、実際邪魔にもなる。またコストの面からいっても、高額なケーブルを２本使うのは難しいということもある。だから多くの場合シングルワイヤーでまかなっているのが現状である。

そこで今回試みたのは従来のシングルワイヤー標準ケーブルとジャンパーケーブルを使うことだった。我がオーディオシステムから新たなる感動の一場面が生まれた。一音を聴いた途端、何とも言えない今まで体験したことのない再現性であった。その瞬間そこに感激と歓びが涌きあがった。なぜもっと早く験し、実行しなかったのか悔やしい思いが残った。それはスピーカーシステム（JBL4344MK2）のバイワイヤリング方式での接続方法であった。その接続方法で以前から頭の中ではスピーカーケーブルでシングル接続ではバイワイヤーの場合、高性能ジャンパーケーブルを使い、絶対＋、−とも低域（ウーファー側）から繋ぐことが原則だということを頑なに信じ込んでいたためである。しかし、これからは広くよい情報を得て「いろいろと験してみるもんだなぁ・・・」と、ここでも反省しきりだった。最初の体験は今年の5月頃、今までバイワイヤー接続を低域（ウーファー）側から繋いでいたケーブルを、験しに逆の高域（ツィーター）側から＋、−を繋いで見た。何とその効果驚くなかれ、SNがグゥーンと高くなり解像度も抜群に上った。高域、中低域感の見通しが素晴らしく良くなった。「これは何でも一度は験してみるもんだ！」と、それからというもの興味もいっそう涌き上がり、いろんなバイワイヤー接続に感心を抱くようになった。今までどうしてもこちらが意図としていた、あの低域感の図太く深く沈み込んでよく締まった低音がどうしても再生されなかったことが根底にあった。それからというもの高音質再現へ向けて、オーディオ探求の日々が始まるのである。（つづく）

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