SCANDYNA/Minipod入荷！ハイファイ堂メールマガジン第830号大須本店

SCANDYNA/Minipod入荷！
ハイファイ堂メールマガジン第830号大須本店

2019年最後のメルマガとなりました。大須本店の佐々木二朗です。
毎年、年末となると大掃除の影響か、持ち込み買取りが増えます。ありがたい事です。その中で久しぶりにMinipodの入荷がありました。



SCANDYNA/Minipod 定価:79,800円弊社中古売価:39,800円
このMinipodは音の像が浮かぶような定位の良さが最大の特徴です。音の輪郭もはっきり、くっきりしており、再現性が高いです。フィールドレコーディングや環境音楽を聴けば目の前に風景が広がります。
欠点としては、脚色の無い味気ない音色という点でしょうか。またサイズも幅21cm、高さ34cmと小型なので低音があまり出ません。（バスレフなので極端に出ないという事ではありませんが。）低音不足については、専用のサブウーファーがあります。
	SCANDYNA/Bass station 定価:104,800円弊社中古売価:19,800円
また、同ラインナップにはセンタースピーカーもありますが、Minipodの定位感が素晴らしいので、あえてセンターの音を足さなくても良いかなぁ、と個人的には思いました。これはむしろ他のスピーカーと組み合わせたい。 SCANDYNA/The Cinepod 定価:59,800円弊社中古売価:10,000円
これら異形のスピーカー達の出自は少し複雑です。まずデザイナーはB&WのNautilusを設計したローレンス・ディキーとサイモン・グァヘリーによります。販売していたのはイギリスの音楽レーベルblueroomです。そして現在はデンマークのオーディオメーカー、スキャンダイナ社が製造と販売のライセンスを取得しています。
Minipodを最初に販売した音楽レーベルBlue roomの名前の由来は「The orb」というイギリスのアンビエント・テクノグループの曲名から引用されたようです。 The orbは前衛的なエレクトロニクスミュージシャン・デュオで坂本龍一や細野晴臣とも親交があります。Minipodが発売された90年代のイギリスでは様々なエレクトロニクスミュージックが興盛を極めており、そこで様々な音楽的実験が行なわれてきました。The orbはその中でも特に革新的なミュージシャンでした。そんな時代に、The orbから影響を受けた音楽レーベルがB&Wという一流オーディオメーカーのデザイナーと共に設計し生まれたのがMinipodです。こうして誕生したMinipodは必然的に、その当時のイギリスのエレクトロニクスミュージックと呼応する様な前衛的なデザインとなりました。このことから,アートとしての音楽と機械であるオーディオが密に連携していたのであろう事は想像に難くありません。オーディオはただの機械ではなく音楽という芸術と切っても切り離せない関係にあることをこのスピーカーを見掛ける度に思い出させてくれます。私にとってはそんなスピーカーです。 ※Blue roomとMinipodと90年代のイギリスの音楽シーンとの関わりは以下のページで歴史的に解説されています。↓ https://futureshapeofsound.com/
最後に一つ問題提起です。日本製のオーディオは性能は良いが音楽性に優れていない、と言う意見があります。芸術と日本人という事を考えた時、今年は身近な所で愛知トリエンナーレの表現の不自由展問題という事件がありました。大きな問題として扱われ賛否両論ありましたので、日本人にとって芸術は重要なものだという事がよくわかりました。では何故、日本製のオーディオに音楽性が乏しいと言われるのか。非常に気になります。個人のレベルでは芸術に深い関心があってもオーディオメーカー（企業）という集団になると何かが違ってくるのでしょうか。偶然にも電通にアートと企業活動を結びつけようとする動きがあります。＞＞電通が「アート・イン・ビジネス」事業を開始 https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/21089 こういう事業を立ち上げるということは、裏を返せば、現状では日本企業と芸術の間に乖離がある証拠のようにも感じます。皆様はどうお考えでしょうか？令和元年は疑問で終えようと思います。それでは、良いお年をお迎え下さい。失礼します。

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2019年最後のメルマガとなりました。大須本店の佐々木二朗です。
毎年、年末となると大掃除の影響か、持ち込み買取りが増えます。ありがたい事です。その中で久しぶりにMinipodの入荷がありました。



SCANDYNA/Minipod 定価:79,800円弊社中古売価:39,800円
このMinipodは音の像が浮かぶような定位の良さが最大の特徴です。音の輪郭もはっきり、くっきりしており、再現性が高いです。フィールドレコーディングや環境音楽を聴けば目の前に風景が広がります。
欠点としては、脚色の無い味気ない音色という点でしょうか。またサイズも幅21cm、高さ34cmと小型なので低音があまり出ません。（バスレフなので極端に出ないという事ではありませんが。）低音不足については、専用のサブウーファーがあります。
	SCANDYNA/Bass station 定価:104,800円弊社中古売価:19,800円
また、同ラインナップにはセンタースピーカーもありますが、Minipodの定位感が素晴らしいので、あえてセンターの音を足さなくても良いかなぁ、と個人的には思いました。これはむしろ他のスピーカーと組み合わせたい。 SCANDYNA/The Cinepod 定価:59,800円弊社中古売価:10,000円
これら異形のスピーカー達の出自は少し複雑です。まずデザイナーはB&WのNautilusを設計したローレンス・ディキーとサイモン・グァヘリーによります。販売していたのはイギリスの音楽レーベルblueroomです。そして現在はデンマークのオーディオメーカー、スキャンダイナ社が製造と販売のライセンスを取得しています。
Minipodを最初に販売した音楽レーベルBlue roomの名前の由来は「The orb」というイギリスのアンビエント・テクノグループの曲名から引用されたようです。 The orbは前衛的なエレクトロニクスミュージシャン・デュオで坂本龍一や細野晴臣とも親交があります。Minipodが発売された90年代のイギリスでは様々なエレクトロニクスミュージックが興盛を極めており、そこで様々な音楽的実験が行なわれてきました。The orbはその中でも特に革新的なミュージシャンでした。そんな時代に、The orbから影響を受けた音楽レーベルがB&Wという一流オーディオメーカーのデザイナーと共に設計し生まれたのがMinipodです。こうして誕生したMinipodは必然的に、その当時のイギリスのエレクトロニクスミュージックと呼応する様な前衛的なデザインとなりました。このことから,アートとしての音楽と機械であるオーディオが密に連携していたのであろう事は想像に難くありません。オーディオはただの機械ではなく音楽という芸術と切っても切り離せない関係にあることをこのスピーカーを見掛ける度に思い出させてくれます。私にとってはそんなスピーカーです。 ※Blue roomとMinipodと90年代のイギリスの音楽シーンとの関わりは以下のページで歴史的に解説されています。↓ https://futureshapeofsound.com/
最後に一つ問題提起です。日本製のオーディオは性能は良いが音楽性に優れていない、と言う意見があります。芸術と日本人という事を考えた時、今年は身近な所で愛知トリエンナーレの表現の不自由展問題という事件がありました。大きな問題として扱われ賛否両論ありましたので、日本人にとって芸術は重要なものだという事がよくわかりました。では何故、日本製のオーディオに音楽性が乏しいと言われるのか。非常に気になります。個人のレベルでは芸術に深い関心があってもオーディオメーカー（企業）という集団になると何かが違ってくるのでしょうか。偶然にも電通にアートと企業活動を結びつけようとする動きがあります。＞＞電通が「アート・イン・ビジネス」事業を開始 https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/21089 こういう事業を立ち上げるということは、裏を返せば、現状では日本企業と芸術の間に乖離がある証拠のようにも感じます。皆様はどうお考えでしょうか？令和元年は疑問で終えようと思います。それでは、良いお年をお迎え下さい。失礼します。

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