お世話になっております、京都商品部の八木です。 梅雨も真っ只中の今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか? 僕は近頃、家族のため?に車をセダンからミニバンに買い換えまして、早速洗車をしたいと思っているのですが、季節柄、休みの日は雨だったり、やれ子供の幼稚園の行事だので、未だ洗車が出来ずウズウズしております。 次の休みこそ!と野望を抱く今日この頃です。 |
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さて今回のメルマガですが、今回もここしばらく連載させていただいております、JBLの名機「PARAGON」について。 とうとう6話目にまでなっちゃいました。 今回も前回に引き続きネットワークについて触れてみたいと思います。 前回までの記事は下から↓ エンクロージャー編: http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/171027/index.html ウーファー編: http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/171208/index.html ドライバー編: http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/180119/index.html ツイーター編: http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/180223/index.html ネットワーク低域編 http://www.hifido.co.jp/merumaga/kyoto_shohin/180420/index.html 下写真:オーディオの足跡より http://audio-heritage.jp/JBL/speaker/paragon.html |
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今回は高域側のネットワーク「N7000」という事になるのですが、このネットワークは他のユニット達と違い、「PARAGON」と同じ年(1957年)に発売されているようです。 あくまで推測ですが、この当時に他のスピーカーシステムには搭載されていなかったことから考えると、やはり「PARAGON」のために作られたのではないかと考えたくなります。 さて、そんな「N7000」、調べてみたところ、このネットワークも幾度かのマイナーチェンジをしているようなので、そのへんを紹介していきたいと思います。 |
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まずは初期の「N7000」。 特徴としては、正面から見るとターミナルの部分がマイナスのネジ式ターミナルになっています。 |
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基本的に正面は、上の写真のものになるのですが、背面になるといくつか仕様がありました。 まずはATTの部分。 初期のATTはどうやら二段式のようです。 カバーありとカバーなしの2パターンが見られました。 |
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左下は右上のATTのカバーを外した写真です。 左上のものと色は違えど、形状は同じものが付いているように思われます。 それから右下はネットワーク内部の写真で、上下の黒い物体がコンデンサー、真ん中の2つはコイルです。 ATTを外した穴の横に、銀色の小さな丸い金具がありますが、これはATTをセンターまで回したときに「カチッ」と止まるストッパーになっています。 |
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それからシリアルプレートの部分。 ここは未だ謎なところなのですが、初期の「N7000」の中には「N7000(P)」という型番のものもあります。 しかもこの「N7000(P)」の中でも、シリアルプレートに「16 OHM」の表記のあるものとないものがありました。 |
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「N7000」と「N7000(P)」。 結局、どれが古いのか新しいのかという部分については、総合的に見てシリアル・ATTなど関係なくランダムに搭載されており判断がつきませんでしたが、「N7000(P)」を搭載しているもの、「N7000」でもSR~2000番くらいまでのものは「PARAGON」初期モデルのものと推測できそうでした。 このへんは引き続き調査をしていきたいと思います。 さて、続いての変更点です。 ここからは「PARAGON」中期モデルからのタイプになります。 今度は正面の部分で、ターミナルがプッシュ式に変更されました。 |
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プッシュ式に変更されてからも、プッシュ初期のものは以前のシリアルプレートを引き継いでいました。 ただ、このプッシュ式になってからは「N7000(P)」のいう型番はなくなったようです。 それからATTとシリアル周りのフレームがブラックからシルバーに変更されています。 |
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内部写真と外したパーツです。 ATTは以前の二段式から一段のオレンジ色のツートンのものに変更されました。 コンデンサーも箱状だったものから筒状のものに変わっていっているようです。 筒状コンデンサーの時期としては、SR.2000〜7000番台あたりのものに搭載されているのではと推測されます。 |
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続いてシリアルプレートが新たに変更されます。 SR.7000番くらいからと考えられ、時代的には1965年あたりと推測されます。 巷で一番よく目にするシリアルプレートです。 最終型になるまでのしばらくは、このタイプになります。 |
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シリアルプレートが変更されてからすぐにまた、ATTの色が変更されていました(オレンジから黒に)。 オレンジATTは7000番台〜11600~900番頃、黒ATTは〜28000番頃に搭載されていたと推測されます。 それから密かにATTのストッパーが、SR.11700頃までにはなくなったようでした。 |
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また、右上の内部写真のコンデンサーですが、これはSR.9000番台くらいに黄色い小型のコンデンサーに仕様変更され、以降モデル末期まで搭載されているようです。 それからまたSR.28000番台頃に、ATTが下写真の「ALPS」製のものに変更されました。 おおよそ38000~39000番台くらいまで搭載されているようです。 |
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そして、シリアルプレートの最終型になります。 SR.35000番〜から徐々に変わっていってます。 この頃になると「PARAGON」も後期型になっています。 年代でいうと1978年頃からと推測されます。 |
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最終型に至る頃にはATTも「COSMOS」製に変更されていました。 37000番台後半頃から搭載され始めていました。 |
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いかがだったでしょうか? 「N7000」だけでもこれだけの仕様変更があったとは驚きでした。 「PARAGON」を掘れるだけ掘ってみようと始めた企画でしたが、まさかここまで大変だとは思いませんでした。 これだけ調査しても、まだ見えてない部分もあるので、さすがは名器「PARAGON」です。 引き続き調査し、また新たな発見がありましたら報告させて頂きたいと思います。 それではまた! |