いつもお世話になっております。 ハイファイ堂京都商品部の滝本です。 天高く馬肥ゆる秋も、 はや過ぎ行こうとしていますが 皆様はいかがお過ごしでしょうか? |
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そして、突然ですが皆さんはご自分の体重を気になさいますでしょうか? スタイルを気にするようなお年頃の女性なら即答で「もちろん!」と 答えるような問いですが、世の中には意外とそこまで執着されていない方も 多いと思います。 私自身もその類でして、贅沢なことに美味しいものがあふれている現代日本において 食の楽しみを制限してまで体重に気を使いすぎる事はないかなと思っていました。 せいぜい健康を保てる体重であればいいと。 しかし、最近はその楽しみを少し我慢してでもやせておくべきかな と考え直しています。 というのも、私、この一年で体重をプラス10kgオーバーで増やしてしまいまして、 今ヒシヒシと余分な脂肪があることの弊害を感じているからなのであります。 一気に体重が増えるとそれはもうよく体のキレの無さを体感出来るもので、 走れない、持久力ない、動きたくもないとナイナイ尽くしです。 10kgの米袋を常に背負って動いているのと同様なわけで それは当たり前です。 |
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さて、そもそも何故こんな「重い」話をかと言うと、 先日、京都商品部にこんなスピーカーがメンテナンスでやってきたからです。 |
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McIntosh(マッキントッシュ) ML-2C です。 30cmのウーハーが2基、 20cmのミッド×1、 2.7cmソフトドーム型 高域ツイーター×2、 1.2cm超高域ツイーター×1の 5way 6スピーカーシステムで 深みのある低域が特徴。 外観も美しいウォルナット仕上げと、 一見家具的なグリルにも 目を引かれます。 |
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そして、このスピーカー、重いんです。 約65kgと超重量級というわけではないのですが、 そのサイズ感(733×738×539)から感じるギャップというのでしょうか、 見た感じよりもとても重く感じます。 このML-2Cのメンテナンスを担当されていた先輩が、 作業の為にスピーカーの取り回しをする度に 「重いー重いー」と恨み節のような言葉を発せられておりました。 それが怠惰に増体重した私に向けられている戒めの言葉のようにも 聞こえてきました。 |
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それにしても、このスピーカーに限らず、たまに「何故こんなにも重いのか」 と思わせられるスピーカーがあります。 こんなに重い必要性があるのか、と。 一般的にはスピーカーは重量がある方が良いと考えられています。 それは、重さが無いと音を出す各ユニットの動きを抑えられませんし、 しっかりとしたエンクロージャーでないと共振を起こして 本来意図していない音が出てしまいますので、それを防ぐ為に 「重さ」で制御するという考えが浸透しているからなのですが、 しかし現実には軽くても良い音を聞かせてくれるスピーカーも たくさんあります。 利用環境(壁掛け、天井吊り)や本体サイズの制限など、軽くある事を 求められるスピーカーもあるわけで、その場合は重さはネックになります。 |
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BOSE 101MM 私の小型天井吊りのイメージは これです。 昔、所有していましたが当時の借家で 天井吊りが難しく、床置きで 使用していましたが…。 |
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そのネックを解決する為に、共振などの鳴りを本体構造に工夫を凝らす事で 楽器が鳴るかのようにプラスの音に変換しようとするやり方や、 素材や成型の技術進歩によって重量を減らして堅牢さは保持するようなやり方 など、様々な努力が成されてきたわけですが、 結論、やはりスピーカーに極端な重量が必要なわけではないように思うのです。 |
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実際にとても重さのあるスピーカーが存在しているのには、製作当時 エンクロージャーに使用している木材の加工技術が追いついていなかったり、 スピーカーユニットに大きな出力を求めたが故に磁力強化→磁石大となったなどの 理由もあるのですが、そのあたりの詳しい事はまた別の機会に、と思います。 |
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JBL 375。 アルニコマグネットが使用された重量級ドライバー。重さ、約11kg… 私、米袋だけでなく、これを背負って いる感覚でもあるわけですね…。 |
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なんにせよ商品としてのスピーカーを考えると、あまりに重すぎるのは 実用性という観点からも困ったことになってしまいます。 オーナー様個々人の住環境に依るところもありますが、 おいそれと模様替えやオーディオのシステム組み替えも出来ませんし、 私の個人所有のスピーカーは専用でないスピーカー台に置いていた為、 20数年の歳月をかけて、載っている部分の板が結構な感じで 湾曲してしまいました。 |
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YAMAHAのスピーカースタンド SPS-500。 耐荷重不明でしたが、 NS-1000クラスをしっかりと 載せてくれます。 |
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人にベスト体重があるようにスピーカーにも自分に合った ベストな重量があるように思います。 もちろん、音質重視なのが前提ですが。 そんなことを思っていると、スピーカーの重さ具合を見てみたくなりました。 単純に重さを比べるのではなく、サイズに則しての重さ比べと申しましょうか… 以下、数点のスピーカーのデータ比較です。 サイズ、重量、と共に体積分の重量をサイズ感に対しての比較のために仮に (ポイント)として表記してみました。 設置時の指標になりやしないかと底面積にかかる重さを kg/100平方センチメートルで。 発売開始年も、無垢材を多く使っていた加工技術の変化の傾向を知る 今後の手立てにならないかとついでに表記。 ユニットの配置や袴、脚部の形状は考慮していないので あくまでもイメージに近い比較ですが、 感覚的なところを数値として見てみることは出来るのかな、 と生暖かい目でご覧いただければ幸いです。 |
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1、発売年 2、重量 3、サイズ(幅、高さ、奥行き) 4、ポイント(体積分の重量を基に比較の為に数値化) 5、kg/100平方センチメートル(底面積にかかる重さの割合) |
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McIntosh ML-2C 1、 1971年 2、 65kg 3、 733×738×539 mm 4、 0.22pt 5、 1.65kg |
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YAMAHA NS-10M 1、 1978年 2、 6kg 3、 215×382×199 mm 4、 0.37pt 5、 1.40kg |
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YAMAHA NS-1000M 1、 1974年 2、 31kg 3、 375×675×326 mm 4、 0.38pt 5、 2.54kg |
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YAMAHA NS-2000 1、 1982年 2、 47kg 3、 440×752×404 mm 4、 0.35pt 5、 2.64kg |
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JBL 4311 1、 1973年 2、 19kg 3、 360×600×300 mm 4、 0.29pt 5、 1.76kg |
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JBL 4343WX 1、 1976年 2、 79kg 3、 635×1051×435 mm 4、 0.27pt 5、 2.86kg |
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JBL 4355 1、 1984年 2、 120kg 3、 1223×901×510 mm 4、 0.21pt 5、 1.92kg |
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JBL PARAGON 1、 1957年 2、 266kg 3、 2630×900×610 mm 4、 0.18pt 5、 1.66kg |
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TANNOY EDINBURGH 1、 1982年 2、 44kg 3、 660×1020×420 mm 4、 0.16pt 5、 1.59kg |
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もう少し色々と比べてみたいスピーカーがあったのですが、 キリも考えてこの辺りで。 ざっとではありましたがやっぱり1000M系は重かったなとか、 TANNOY軽いなーと実感するところがありました。 あれだけ重いと感じていたML-2Cが意外にヤセ型だったのも予想外でした。 やはりユニットなどの重心が影響大なのか… そもそも根本的に足りないデータがあるのか…。 自身も少しお遊びのような感覚で始めたのですが、 今後必要性が出たり、興味と時間の折り合いなどが付けば もう少しきちんと調べてみたいと思います。 お付き合いいただき、有難うございました。 |
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そして、現在、1000M級に体の重量を持て余している私ですが、 半年後くらいにはEDINBURGHの身軽さに、 出来れば見た目の格調高さも一緒に身に付けられればなあと思います。 それでは、また。 |