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kaitai

解体新書　vol.19 HMV 163篇
久しぶりの解体新書になります。今回は蓄音機Gramphone His Mater's Voice 163です。

見た目はクレデンザの弟と言った感じです。横長だったクレデンザと違い上から見ると正方形に近いです。
	クレデンザより足は細くて長くなっています。ただしこのデザインでは強度が不十分のようでH字状に補強が入っています。

	ターンテーブル周りです。シンプルです。
プラッターを外したところです。真ん中上のメカ部分がストップ、スタートの機構の部分です。
	ブレーキ周辺です。クレデンザと同じくスムーズで正確な動きです。

	スピードメーターです。
サウンドボックスです。 "HIS MASTER'S VOICE" No.5Aという型番のようです。 Hayes Midolesex England THE GRAMOPHONE Co LTD と書いてあります。

アームの部分です。メンテナンス済みなので、がたつきは全くありません。
	サウンドボックスを取り付けるとこんな感じです。
ネジを4つ外してターンテーブルの横にあるつまみを使ってメカの部分を外すことができます。裏側の全体です。円柱の中にゼンマイがあります。

回転を始めると半球状のものが遠心力で外に膨らんで写真で半球の下にある円盤の位置を変えます。この円盤の位置で速度調節を行っています。電気の力も使わずに速度を調節する機構です。指で支えているバーの下にあるでっぱりが表で速度調節のノブになっています。考えた人はほんとに頭がいい人だと思います。

骨太に見えて意外と繊細につくってあります。オーディオ機器ですが、機械油のにおいがします。
	この裏面についている張り紙にはメンテナンスのときの油の指し方が書いてあります。"HIS MASTER'S VOICE"のオイルとグリスを使えと書いてあります。
ターンテーブル部を外すとホーンが出てきます。金属製のホーンです。汚れているのはモーター部分から落ちるオイルとグリスのせいです。


	箱の中に貼ってある紙には特許とかが書かれています。当時の最新技術で作られていたんでしょう。上の写真は左がホーンの始まりの部分で右が天板がゆっくり降りる機構の部分です。
裏のふたを外すとホーンの裏側が見れます。この辺もクレデンザにかなり似ています。
	表のサランネットもネジ止めで、外すことができます。ネットを外すとホーンの出口が出てきます。(フラッシュのせいで若干色が変です。ほんとはもっと黒っぽい金属です。)
型番のシールです。 MODEL 163と書かれています。
	シリアルナンバーはターンテーブルを外さないと見えないところにプレートでついています。"3978"番目です。
もちろんニッパー君も天板の裏側にいます。額縁付きで豪華な感じの絵です。