ハイファイ堂メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。 秋葉原店の北村です。 |
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今回のメールマガジンは「サブウーファーのポートノイズ対策」をテーマにお話しします。 これは大音量派にとってはけっこう身近な悩みでありまして、特に私のような重低音マニアはサブウーファーのボリュームを大きくしがち。結果、これからお話しする「ポートノイズ」に悩まされる事となります。 はたして有効な解決策はあるのでしょうか。 つつましき音量でオーディオを楽しまれている方にも、バスレフポートの特徴を知るうえで有意義な参考内容となりますように。 |
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●バスレフポートとは 「バスレフ」とは、キャビネットに穴があるタイプのスピーカーの事です。オーディオ解説本によると、ユニット後方から出る音の位相を反転させて、その穴から出す構造になっているそうです。 同じキャビネット容量(サイズ)なら密閉タイプよりも低い周波数までの帯域再生が可能になるとの事で、多くのスピーカーでこのバスレフ構造が採用されています。 「ポート」とはキャビネットにあいた穴の事を指します。 |
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この穴がバスレフポートです。 内部なので見えませんが、ポートには筒状の「ダクト」が付いています。 スピーカーによりポートの大きさやダクトの長さが違うのは、それぞれのスピーカーに合わせた音質になるよう設計されているためです。 |
こちらはサブウーファーのバスレフポート。 普通のスピーカーと特に違いはありません。 |
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●ポートノイズとは 低域は耳には聴こえづらいので、ボリュームを上げていくと実感以上にウーファーユニットの振幅は激しいものとなります。その振幅で発生する空気圧が、ポートから空気砲のように飛び出してきます。 ポートから出てくるこの空気が一定量を超えると、件の「ポートノイズ」が発生します。これはポートの存在しない「密閉型スピーカー」では発生しない現象です。 では これの何が問題なのか? それは、ポートノイズは「音」として、はっきりと耳に“聴こえてしまう”という事なのです。ポートノイズとはひと言で言えば「風切り音」で、実際には「ボボボ・・・」「ゴゴゴ・・・」といった感じで聴こえてしまい、再生音を濁します。 これは主に低域再生専用のサブウーファーで問題になる事案です。普通のスピーカーでポートノイズが出るような大音量で鳴らしたら、まず中高域の爆音にかき消されてそれどころではないかと思います。やはり、低域単体でボリュームを上げられるサブウーファーでこそ顕在化する問題と考えて差し支えないでしょう。 |
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●ボリュームを下げる!? |
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消極的ですが、いちばん手っ取り早い解決策はボリュームを下げる事。ポートノイズが発生するという事は、おそらくメーカーが想定している以上の低域を再生しようとしているという事でもあると考えられます。 例えば小型エントリーモデルのサブウーファーをすごく広い部屋で鳴らしたり、大型メインスピーカーの低域補強に使ったりするのは分不相応というもの。まずは用途と規模を見極めるのが肝心で、場合によってはそれにみあったクラスのモデルにグレードアップした方が良い場合もあるでしょう。 ボリュームを下げるだの買い替えるだのではあんまりだと思うので、ここからは「使いこなし」によってこの問題が解決できるのかを探っていきたいと思います。 |
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●ポートを塞いでみる ポートから出る空気が原因なら、ポートを塞いでしまえば解決するのか? ポートを塞いでチューニングする事は、バスレフスピーカーではよくある事です。 これはサブウーファーでも有効なのでしょうか。 作業自体は簡単なので早速実践してみましょう。 |
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実際に塞いでみると、一聴してすぐ、低域があまり伸びない事に気が付くと思います。 音調は締まった方向に変化、ポートノイズは聴こえなくなりました。これは密閉型の特徴に近づいたとも言えますが、本来バスレフタイプのスピーカーならば、開放してあった方が音に勢いは出ますね。 また、空気の逃げ場が無くなったせいなのか、大出力時にユニットがバタつくピークが、ポート開放時よりも早くなりました。どういう原理でこうなるのかは不明ですが、大音量派にとってこれは痛い。他のモデルでもこの現象が起きるかどうかは分かりませんが・・・。 ポート塞ぎは手軽な対策で良いかと思ったのですが、どうやらポートノイズと引き換えに失う物が多いようです。 |
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ポートを塞ぐことを推奨しない(禁止項目になっている)メーカーもあります。 これは安全のためという事もあるでしょうが、ポートが塞がれる事により本来の低域再生が出来なくなるという意味も大きいでしょう。 (右の写真はYAMAHA YST-SW500の取扱説明書) |
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●向きを変えてみる |
ポートノイズが発生するのはもちろんポート部分。それならば、ポート自体を視聴位置以外の方向に向ければノイズが聴こえにくくなるという事。 これができるのは「ユニットとポートが別の面にあるモデル」に限られますが、ポートノイズを聴こえにくくするには有効な手段のひとつです。 ユニットが下面にある「ダウンファイヤー型」なら試しやすいかと思いますが、スイッチパネルや接続端子が本来の向きとは違う側面などに行ってしまい、設置性に難が出る場合がある事が残念。 あと、あくまでも「聴こえにくくなる」というだけであり、根本的な解決策にはなりません。 |
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ダウンファイヤー型はYAMAHAが代表的ですが、年代やモデルによって側面や正面と、ポートの位置が一様でなく変化しているのはたいへん興味深いですね。 どういった理由なのでしょうか。 |
ちなみに我が家のサブウーファーはポートノイズ対策としてバスレフポートを「下」に向けて設置しています(写真では見えませんが…)。 本来は後ろにあるはずの接続端子や放熱板が左側面に来ているのが見えると思います。 ポイントとしては、高さのあるインシュレーターを使って、ポートから出る空気を逃がすための隙間をきちんと確保している点でしょうか。 |
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●実験 ポートから出る空気の流れを視覚的にも捉えてみたいと思い、ちょっとした実験をしてみました。 写真はサブウーファーのポートにコピー用紙を被せた様子。 音を出して空気が動くとどうなるのでしょうか。 |
右の写真をご覧ください。 サブウーファーのポートから出る空気の勢いで、紙が振動している様子が分かります。 この時のウーファーの音量は一般的というか、良識的な範囲のレベルです。 |
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こちらは爆音再生、大出力時の様子。 紙がものすごい勢いで振動して、激しく波打っています。見ていてちょっと怖いくらいに動きました。 また、この実験により、空気はポートから外側に出るだけでなく、吸い込む方向にもかなり動いている事が判明しました。 |
========== ・・・さて、これ以上は長くなりますので、今回はここまでといたします。 この後は、次週配信予定の後篇へつづきます。解決策を求め、舞台はキャビネット内部へ・・・。 やや上級者向けの内容になるかもしれません。乞うご期待。 |
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★★★ おまけ ★★★ 外出自粛で、ご近所以外の街の様子が分からない方も多いかと思います。 ここでは緊急事態宣言下の秋葉原の様子を少しだけご紹介いたします。 まずは秋葉原駅中央改札口。満員電車で通勤していた日々がウソのような状況。 ↓↓↓ |
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電気街口からUDXへの連絡通路。 人気が無いせいか、ちょっと「STEINS;GATE」感ありますね・・・。 ↓↓↓ |
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電気街口西側ロータリー付近。人も車も少ない。すごく静かです。 信号奥に見えるガンダムカフェの改装工事は進んでいるのかな? ↓↓↓ |
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========== それでは、今回はこの辺で失礼致します。 ハイファイ堂秋葉原店 北村 ●ハイファイ堂秋葉原店:〒101-0021 東京都千代田区外神田5-3-12清和ビル1階 TEL (03)5818-4751 ※水曜日定休 |