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あの音にもう一度出会いたい第24話「スーパーウーファーYAMAHA YST-SW1000L」　 2006年6月23日　近藤賢二　YAMAHA YST-SW1000 YST（ヤマハ・アクティブ・サーボ・テクノロジー）スーパーウーファーが発表されたとき随分と憬れたものだ。83年ごろ愛用していたYAMAHA NS-2000ではガッツある低音を再生するのに苦労していた。特にこのスピーカーはアンプを選ぶというので大変悩んだ。ヤマハもそのあたりは心得たものでNS-2000が発売されて半年か1年後に多分NS-2000のためだとも思えるのだが、低域感を強化するリッチネス（低域増強）というスイッチを装備したプリメインアンプを発売した。そして93年頃、YAMAHAからこのスーパーウーファーYST-SW1000（黒色）が発売された。当時人気があったGTラックの高密度パーティクルボードを使用、かなり高品位だったのでオーディオマニアに大好評を博した。
YST-SW1000は16Hzの超低域再生を実現し、YST方式を採用したスーパーウーファーであった。YST方式も効果がありユニークだった。YST方式による負性抵抗回路がウーファーユニットをダンピングファクタ無限大のダイナミックスピーカーとし、超低域までリニアな動作を可能にしていた。このためユニットは数10Hz以下を受け持つ通常のウーファーとして機能すると同時に、超低域までの微小振幅がレゾネータに振動エネルギーを供給する役割を果たしていた。レゾネータはポート内の空気が直接振動するエアウーファーとなり、キャビネット容積とポート容積形状により自由に設定された共振特性に従って超低域を再生する。これら二つを合成したものがウーファーとしての総合特性となり、低域再生限界が拡大されることになったのである。
ウーファーユニットにはスプルース素材の良さを活かし本機用に新設計された30cmのコーン型ユニットが採用されていた。このキャビネットが豪華で50mm厚のヤマハGTラックを使用して、更にバッフル板及び後面にはより高密度なパーティクルボードを各40mm、30mm厚で使用しており、各板の接着面はすべて接着されていた。三角隅木を用いた補強と相まって、高強度、低振動、高密度な設計がされていた。150W用パワートランジスタによるディスクリート出力段を持つパワーアンプ内臓タイプというのも鳴らし易いのではないかと思った。メイン用±B電源と信号増幅用電源及びコントロール系の電源を独立させた3電源方式や大型EIコアのメイントランス、大容量ブロックケミコンの採用などにより、120Wのパワーを実現していた。高域カットオフは連続可変方式となており、30Hz〜130Hzの中で手持ちのスピーカーとの最適点を設定することが可能であった。確かに豊かな低音を再生してくれていた。
その後豪華なウォルナット化粧ウレタン塗装仕上げのYST-SW1000Lも発売された。現在なおYST-SW1000LはアナログプレーヤーGT-2000Lと共に大変人気があり、ハイファイ堂さんにおいても入荷すれば直ぐ売れてしまうほどの超人気機種でもある。
豪華でリッチな低音が魅力の「あの音にもう一度出会いたい」

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