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私のお宝 「真空管アンプ製作講座」 2005年9月9日 音迷人 第1章:目から鱗の巻 アンプに関わる事項(その1) 前回設定した講座方式「キット組立で“きっと”上手く行く」で進めます。 サン・オーディオ製 2A3シングル ステレオメイン・アンプ SV−2A3を使います。 当アンプキットの構成内容(梱包)は次のように成っています。 |
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ソフト:組立説明書 回路図 配線組立図?、?(実体配線図)カタログ等(写真) ハード:構造部品 シャーシー、カバー、支持金具、ネジ類、ネームプレートなど :電気回路部品 真空管、トランス、コンデンサー、抵抗器、可変抵抗器、パイロットランプなど :接続部品 ACコンセント、ソケット、スイッチ、フューズ、真空管ソケット、入力ピン、スピーカーターミナル、ラグターミナル、リード線、ハンダなど(全て並べた写真:赤い小箱が真空管) 注:このキットはシャーシーに付く部品は全てしっかり取り付けて出荷されています。(写真右)よく眺めて理解しておきましょう。 次作のアンプはあなたが取り付けるかもしれませんよ。 |
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順次その概念を項目毎にごく易しく説明しておきましょう。(できるだけ写真を付けます) 組立説明書:このキットの特徴や、準備するもの、組立要領、確認・調整、注意事項、特性等を示します。メーカーにより又クラスにより様々です。今回のは配線中心なので簡潔でした。例えば準備品、部品リスト、特性表などもう少し痒いところに手が届くようだと有り難いのですが。 |
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回路図:もっとも重要な設計図で、電気機能素子をどの様に構成して、目標とする電気装置を実現するかを表したものです。解りやすく言うとアンプのDNAの記録ですね。以下に説明する電気的な機能をもった部品を記号化し、接続を示し、具体的な数値などを指示します。(写真)今回のは間違いでは無いのですがアースの取り方の表し方が後述の1点アースの観点からすると不適切です。またステレオですからもう一方のチャンネルについて少なくとも電源系配線の表示だけでもすべきでしょう。実践篇で補足しましょう。 |
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配線組立図(実体配線図):製作する実際の構造図上で、回路図に準じて部品の取り付け位置、配線の順序、通路などを、視覚的に示した絵や写真です。(写真)左に掲げた配線組立図?でアースラインを黒く塗りつぶしてみました。実践篇では写真を大きくしましょう。 ところで組立図をじっくり見ることはアンプを理解する為には重要なのですが、面倒になり「組み立てず!」はいけませんぞ。 |
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構造部品:電気回路を具体化するための構造を担う部品です。 電気回路部品:自然界にある電気に関わる特性を見極めて、それを手に入れるため具体化したものです。 真空管:真空中で金属を熱すると電子が飛び出す熱電子放射の原理を利用して、必要な特性(整流、増幅)を具体化したものです。 真空管アンプがテーマですから少し詳しく説明しましょう。下記に表を挙げますが、真空管の沢山な個性をたった一つの表にしています。これと同じ説明表は見たことが有りません。(エヘン!・・いや咳払いです)頭の中を整理して「易しさ」で撫ぜたらこんな表になりました。真空管のピン接続図と合わせると良く解るはずです。但し実際の構造は縦長の真空管の中に、フィラメントを芯にして年輪のように(同心円的、真円とは限らない)配置されています。(お節介:プリントして2,3日眺めていたら、達人もどき?ですかね) |
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真空管は長い間我々の生活や楽しみを支えてきましたから大変奥が深いので、ここで語り尽くすわけには行きません。それで基本機能「整流」「増幅」のイメージだけ述べて次に進みましょう。 ◎整流作用:二極管で陽極に+電圧をかけると陰極で出来た熱電子が陽極に引き寄せられその分電流が流れます。(注:電子は−なので+の陽極へ。このとき電流は逆に陽極から陰極へ流れると言います。逆向きを覚えておいて下さい) 陽極と陰極に交流電圧を印加しますと陽極が+の間だけ電子が飛び電流が流れます。それは値は変わりますが、一方向だけです。まずは整流(直流化)が出来たのです。「一方通行の道」です。これですと交流の+側半分しか使っていません。(半波整流)陽極を二つ設けて変圧器で反転して印加するともう半分も整流出来効率よく電源を使えます。(両波整流:回路図参照)一般にはこの脈打っている直流を平滑回路を通して安定した直流を得て各所で使います。 ◎増幅作用:二極管の陰極と陽極の間に熱電子が通り抜けられる網状の電極(格子・グリッド)を置きこの電圧を変えるとプレートに達する熱電子の量が変る。特にグリッドを適正にマイナスにし信号を加えると、比例した大きな信号をプレート回路で取り出すことが出来る。丁度蛇口のコックをあなたが軽く開けたり閉めたりすると、ホースからドッと出たり、チョロチョロだったりするような感じです。又は僅かな足首の動きでアクセル(グリッド)を通して車速(出力)を変えるような感じでしょう。 この項の最後にシングルアンプとプッシュプルアンプにふれておきましょう。まず音声信号は電気的には一応「交流」で+側と−側に振れています。シングルアンプでは1本の出力管で音声信号の端から端を全部受け止め上記の増幅原理で出力を得ます。(今回の回路図参照) プッシュプルは基本的に2本の出力管を押して引くのイメージで1本は信号の+側信号だけを増幅し、もう1本は−側を位相反転して増幅します。これを出力トランスで合成して出力を得ます。簡単に言えばブランコの横に立って片手で揺らしているのがシングルで、両手を使って左手で前方に押したり右手で後ろに引いて揺らしているのがプッシュプルのイメージです。(前々回の三度の飯より・・の6V6PP回路図参照)したがって基本的には(同じ球なら)両手の方がブランコを大きく揺らせますね。力士さんだと片腕でも私の両腕よりも大きく振らすことが出来ます。これが真空管の造りの差です。 |
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あ、もう一つ忘れていました。今は半導体、集積回路LSIの時代というのに、真空管(球)は造られてるのか?入手できるのか?という心配が当然有りますね。まず今のところ真空管で無ければならない装置がまだ多くあります。放送用や、軍事用そして奥様の「チン」ですね。と言うことで生産装置はあります。旧共産圏国が頑張っていますね。それと昔のストック管の放出品でしょうか。そして世界規模でオーディオ用の需要はそれなりにあるようです。ですからよほど変った球を使わない限り専門店等から入手できるでしょう。ハイファイ堂商品にも出てきますね。キットはほとんど球付ですからこの点で有利・安心です。少々お高くなったのは仕方が無いとして、やたら希少価値?で高い球は別世界でしょう。 (その1)はここまでとし他の部品などは次回(その2)にします。 つづく |
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