ハイファイ堂メールマガジン

osu

第３回・cello palette preampのメンテナンスと音質評価チェロをもう一度メンテナンスしてもらいました。今度はすこぶる良い感じです。過去ログ第１回メンテナンス http://www.hifido.co.jp/merumaga/osu/060811/index.html 第２回試聴 http://www.hifido.co.jp/merumaga/osu/060929/index.html 大須本店　越浜　靖人

前回は修理業者に全てお任せでオーバーホールをお願いしました。ところがだいぶ傾向が変わってしまい私の思う感覚とだいぶズレが生じてしまいました。・音がかなりパワフルになってしまい繊細感が薄れてしまった・中低域が太くなり過ぎたこと・ヌケが悪くなってしまったこと・全体的に質感がつやつやになってしまい、私が好む木綿の肌触りが無くなってしまったことそこでもう一度メンテナンスをお願いしました。今回は私から数点のオーダーを出してお願いしました。・使用できるコンデンサーがあれば元の物に戻す・無いコンデンサーは吟味して別の物に交換してもらう・元に使用していたコンデンサー容量と同じにしてもらう（前回のオーバーホールでは容量をアップして交換してもらっていた為）

数日後、修理業者から電話がありました。コンデンサーについての件です。「大きな電解コンデンサーは元に付いていたスプラグの物に戻し交換できます。ただ先日付けた新品のデカップリング用のコンデンサーは20個近くあります。このデカップリング用コンデンサーをもう一度良い物を探して，すべて交換してみましょう」とても親身に対応してもらいました。最近付けた新品のコンデンサーをすべて取り外し，新しいモノに交換してもらうことは通常の業者さんはやってくれません。とりあえず代わりのコンデンサーを探してもらいに数日間待ってみることにしました。
数日後、もう一度コンデンサーについてよく話し合いました。「いろいろ吟味しているのですが、アメリカ製のコンデンサーは現在入手が難しいです。容量が合わないことと入手経路が極端に少なく選びようがありません。国内のものでオーディオ用を考えるとサンヨーのOSコン、ルビコンのブラックゲートが入手可能です」今回はお客さんのF氏と相談した結果、ルビコンのブラックゲートを使用してもらうことにしました。

ブラックゲートにも色々種類があり、黒いノーマルタイプと無極性型の高級タイプ（赤い）が存在します。今回はＦ氏の助言もありノーマルの黒タイプを使用しました（赤い高級タイプは普通の音になってしまうという皮肉な結果だったとのことでした）容量も通常は22uFの所に150uFが付いていましたので、元に戻すよう33uFのものを使用しオリジナルに近づけてみました。

結果的には下記のようになりました。・大きなブロックコンデンサー（主に電源部）はスプラグ製コンデンサーに変更。・小さなデカップリングコンデンサーはブラックゲートに交換。

早速、音出しをしました。劇的な変化です。今度はすこぶる良い感じです。・しつこさが取れ，とてもスムーズな感じ。以前はどんなに下部のイコライザーを調整しても難しい感じだったが，今回はどのポジションでも好みの音質が得られgood。どんなソースにも合いような音質。線の細さ、太さがはっきりし、キレも出てきた。オリジナルに近い感じ。・シルキーなタッチを残しながらもcelloらしい濃い音色が出てきた。古いソースが生き生きと再現される。当時の演奏風景が痛烈に感じられ、とても感情移入が出来るようになった。調整のフィーリングが良くとても快適。以前は新しいソースにやや音の薄さを感じていたが、コンデンサー交換によりかなり充実したサウンドに生まれ変わった。
	「くるみ割り人形」キーロフ＆ゲルギエフ１９９８年の録音です。演奏，音質どちらも大変良くオススメ盤です。オーバーホール前はやや詰まり気味の音でしたが，今回はレビンソンらしいカリカリッとした厳しさの中に滑らかで充実したハーモニーが得られるようになりました。ゲルギエフらしいばしっとしたところが低域・高域にも感じられ良かったです。
「コレクション」スパイロジャイラ全盛時代スパイロジャイラの名作をGRPが集めたデジタルリマスターベストアルバムです。前回はフィージョンやジャズを聞いた際に，どうしてもヌケが悪くなってしまい全体的に「どろん」とした印象でした。今回は非常に爽快でサクッとした音が出てきました。やっぱりスパイロはやや荒くてもこう出てこないとダメですね。 Jay Becensteinのサックスがなんとも爽快で，気持ちよく前へ出るようになりました。
今回の修理で感じたことは・質感がもとのcelloの感じにほど近い。・オーバーホール前の状態よりかなり満足できる音質になったこと。かなりチェロの修理の仕方がわかってきました。オーバーホールも自信を持ってお受けできます。もしオーバーホールご希望の方はご使用の機材と好みの傾向をお知らせください。大須本店　こしはま迄　０５２−２４９−２６００

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