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チェロ　パレットプリ（CELLO PALETTE PREAMP）のオーバーホールをレポートします。大須本店　越濱　靖人

以前から一度きちんとしたチェロのメンテナンスをしてみたいと思っていました。私にとってこのパレットプリアンプ（CELLO PALETTE PREAMP）は良きパートナーであり，今後出会うことが無いと思われる貴重なアンプです。そのため信頼できるメンテナンス業者をずっと捜していました（以前は大場商事でしたがチェロとの契約を打ち切った為，同時にメンテナンスが受けることが出来なくなりました）最近ひょんなことから，十分信頼が出来るチェロのメンテナンス業者と出会うことが出来ましたので，早速メンテナンスに出してみました。

今回は特に壊れていませんでしたが，修理内容を「音やせ，ガリ，その他劣化パーツの交換依頼」として頼んでみました。修理期間は大変短く，なんと５日で帰ってきました。修理業者の中ではピカイチに早い対応でびっくりしました。内容の方もかなり丁寧に記載されていました。とても好印象です。パーツはおおよそ２０個ほど交換したようです。修理金額は写真の通り約￥９０，０００（税抜き）ほどでした。

とりあえず本体のカバーを外してみました。

本体の大型電解コンデンサーです。通常は６８００uF/５０Vが４本使用されていたようですが，今回は１０，０００uF/５０Vを４本に交換されています。交換パーツはニッケミの特注パーツです。これは相当いろいろなコンデンサーを研究した結果，今回の使用されたニッケミが良いと判断され，３年前ほどから純正修理でも使用されているそうです。音質がチェロにふさわしく且つ長時間の使用に耐えることから選ばれたそうです。元々付いているコンデンサーが摂氏８５度／１０００時間耐久の物に対し，今回の物は摂氏１０５度／５０００時間になっており実に４倍ほどの耐久力が有ると言っていました。コンデンサーの交換は重要です。今回はかなり液漏れしている物が多かったようです。この液体が基盤を劇的に劣化させ，燃えてしまうことも有るようです。十分気をつけたいところです。

メインボリュームです。こちらはどうも私が気づかず破損された状態で使用していたようです。たまたま純正パーツがあったので，すぐ交換してもらいました。詳しく見ると高精度なデール製センタータップ付きのボリュームに交換されていました。どうもこの「センタータップ付き」がポイントらしく，これがないと良いカーブにならないそうです。使用してみた感じローレベルでのギャングエラー（左右音量差）がかなり少なく，回した感じも滑らか・繊細で大変満足できる物でした。

大きな電解コンデンサーの右にある終段アンプとミューティング回路っぽいです。ここでも何個か変えられていました（超低インピーダンス・特注グレード・茶色の物）

イコライザーアンプ回路です。パレットプリの場合は６個イコライザーが付いており，全て独立回路で構成されています。左右デファレンシャルで組まれていました。ここでのパーツ交換は無いようです。ちなみにライファのコンデンサーが使用されていました。ＩＣはバーブラウンです（ほとんどそうでした）

これは別体電源の内部写真です。トランスはトロイダルです。大きなコンデンサーが２本交換されていました。この電源回路は１００〜１２０Ｖをカバーしています。トランス後のレギュレーター部で本体に送る電圧をきちん一定して確保しているそうです。ですので多少の電圧変動があっても安定して一定の電力を本体へ流すことが可能といっていました。

パレットプリは２層に基盤があります。この写真は底面の基盤の写真です。

ひとまずセットアップ完了です。

早速試聴開始ですが，音質のレポートは次回に詳しくお伝えしたいと思います。試聴ディスクはこの３枚です。左から１．スーパートリオ／チックコリア・スティーブガット・クリスチャンマクブライド２．バッハ・平均律クラヴィーア曲集／グレン・グールド（初回限定・銀蒸着プレス版）３．モーツァルト・バイオリンコンチェルト曲集／アンネ＝ゾフィー・ムター＆ロンドンフィルハーモニー管弦楽団（２００５年７月録音）早速，好印象の音が飛び出してきました。またレポートします。 cello（チェロ）のメンテナンス・オーバーホールはこちらにお願いします。ハイファイ堂　大須本店　越濱（こしはま）まで電話：０５２−２４９−２６００ FAX ：０５２−２４９−２５７７

上面の基盤・修理前

上面の基盤・修理後

下面の基盤・修理前

下面の基盤・修理後