御世話になっております、京都商品部の八木です。 あんなに暑かった日々が遠い昔のように涼しくなってまいりました。 皆様いかがお過ごしでしょうか? 僕は先日、毎年恒例としている月見バーガーを食べに行ってきました。 マクドナルドで一番好きなハンバーガーなんですが、一年にこの時期しか食べられないという事もあってか余計に美味しく感じてしまいます。 また来年も是非、食べたいと思います。 |
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さて今回のメルマガでは、前回に引き続き「個人的に愛してやまない」シリーズで、世界中でたくさんのマニアさんがいらっしゃるRogersのBBCモニタースピーカー「LS3/5A」の「15Ω時代」について調査してみました。 |
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発売されたのが1975年で、1999年まで販売されていたようです。(ユニット製造時の金型が破損し、代替の金型を用意する費用の捻出が難しく、断念したのが原因で製造中止になったと言われています。 ちなみに現在も新生LS3/5Aが販売されていますが、ユニットが違うものになっているのでこれはさておき) 約25年もの期間、販売されていただけに途中に幾度かの仕様変更があったようです。 大きいところでは1987年に15Ωから11Ωに変更があった事が有名ですが、この15Ωの中でも幾度かマイナーチェンジをしているので今回はそこらへんを調べてみました。 |
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まずはサランネットのバッジ。 一番初期のものは金バッジだったようです。 相当レアです。 僕もお目にかかった事はありません。 しかも字体も3種類くらいあるようです。 サランネットにベロがついているのも特徴のようです。 海外に所有されているマニアの方をちらほら見かけます。 確認できている分ではシリアル3000番台くらいまででした。 続いては黒バッジ。 これは当社でも過去に入荷がありました。 当時代理店だったオーデックスジャパンさんのカタログにもこの黒バッジ3/5Aが載っています。(冒頭のカタログです) おそらくシリアル10000番台くらいまでではないでしょうか。 海外ではこの頃までのモデルを「EARLY」や「GoldBagde」と呼び、大変人気があるようです。 |
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続いてはRogersの下にLS3/5aと書いてあるバッジ。 これは金仕様と黒仕様とあるようです。 比較的、金のほうがよく見かけます。 僕の調べでは当社の入荷でシリアル165xx~248xxの頃でした。 海外ではホワイトベリーといって白仕様が主なようです。 |
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最後はお馴染みRogersロゴ。 最終型までこのバッジで販売されていたようです。 当社入荷のもので252xx~500xxまででした。 ただこれらのバッジも変えられてしまっているものもあるため定かでないところもあります。 |
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さて、サランネットをはずして、まずはツイーターT27(SP1032)です。 これも知る人ぞ知る、初期は片側の線が青線なんですね。 調べたところ、当社入荷でだいたいシリアル138xxまではこの青線でした。 以降は両側黒線になるのですが、当初のと後半のとでは振動板周りの板がザラザラしたものになっていました。 18xxx以降くらいからこの仕様になっているように思われます。 |
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続いてはウーファーのB110(SP1003)。 ウーファーなんて見た目で違うとこあるのか?と思うとこですが、よーく見てみると少し違いがあるように思います。 初期に比べシリアル17000以降〜30000頃はセンターキャップ周りの接着剤がやたら厚めになっているものが多いと思います。 そして後半(31000番台後半)になるとコーン紙の質感、エッジの縁幅が変わり、これはおそらく後期に使用されている(SP1228)に変わっていると個人的には推察しています。 |
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そして背面にまわりましてシリアル部。 これも最初期のものは激レアです。 写真は027/028です。 ネット上で001/002も確認できましたが、このタイプでした。 海外のマニアサイトでは1000番台くらいまではこのタイプが出回っているとの事です。 シリアルも連番で販売されているようです。 |
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その後は紙素材のユニオンジャック入りのものになりました。 この頃からA、Bをシリアルの後に付け始めたようです。 左右、似てはいますが一番下のMADE BY~というのがあるのとないのと、ビミョーに3/5A周りの字体も変化してますね。 先程の初期シリアルの番号に重複してくるのですが、左側のは400番台後半〜1000番台前半、右のは1000番台前半〜8000番台前半までが確認できております。(調べたところ、およそ1000番台前半で1976年頃の製造と推測されます) |
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そしてやっとお馴染みのシリアルステッカー。 でもお気づきでしょうか? この左右で違う所があります。 見づらいかもしれませんが、実は住所が変わっています。 Rogers社の歴史を調べると、1981年にそれまでのロンドンから郊外のサリー州ミッチャムへ製造本拠地を移転しているようです。 ですので、このミッチャムシリアルがだいたい20xxx〜なので、これ以降のものは81年以降の製品と推測出来ます。 ロンドンのほうは当社入荷で81xx~181xxでした。 ただこのステッカー、金色だったり銀色だったりがあるのですが、混ざっていてどういう違いなのかはまだよくわかりません。 |
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そして15Ω最後のシリアルステッカーがこちらもお馴染みですね。 当社の入荷では286xx〜354xxでした。 これも金だったり白だったりします。 |
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そして最後にスピーカーターミナル部分。 初期〜ロンドンシリアル時代はバナナジャックが主だったようです。 たまにXLRのものもあったようです。 お馴染みのシングルになるのはシリアル20000番台頃からのようでした。 シリアルステッカーもこの頃より所在地がミッチャムになっているので、一緒にターミナルも変更になったのかもしれません。 |
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いかがだったでしょうか? 15Ωの時代にこれほどの小変更があったとは。 しかし、ただでさえレアな初期モデルは、まだまだ情報不足ですので不確かな部分もあり、あくまで参考程度でお願い致します。 今回は外観上での年代による変化についてわかる範囲で調べてみましたが、引き続き調査を進め、更なる3/5Aの世界をあらためて報告させていただきたいと思います。 それではまた! |