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解体新書 vol.13 DENON MCカートリッジ DL-103篇 解説近藤賢二・佐竹裕行、写真撮影佐竹裕行 今回の解体新書は前回に続きMCカートリッジの解体でMCカートリッジの定番中の定番 DENONのDL-103です。(佐竹) 私は現在アナログレコードは使用しないが、DENONのカートリッジDL-103の愛用者だっただけに大事に保存している。頑丈で丈夫に仕上げられており、特にはっとさせるような音質でもないが、どのジャンルの音楽を聴いてもそれなりに安定して聴かせてくれる良さを持ちあわせている。(近藤) |
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ラベル側です。(佐竹) |
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前から見るとこうです。この103は針が折れています。(佐竹) |
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端子側です。(佐竹) |
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横からみたところです。(佐竹) |
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針が見事に折れています。(佐竹) DL-103の適正針圧は2.5gであるが、前身のPUC-7Dは適正針圧6gであった。(近藤) |
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カバーを開けるとこうなっています。 カバーはネジがはまる部分からペンチで挟んで引っ張ると外れます。4ヶ所をボンドで止めていたようです。(佐竹) |
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内部はこういう形になっています。 大きな構造は前回のMC20とあまり違いは有りません。(佐竹) |
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普段ケースから見えているカンチレバーの後ろの春巻き状の部分はこのように薄いトレーシングペーパーの様なものが付いていました。(佐竹) |
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端子側です。 端子のハンダのさきに非常に細いコイルがでています。(佐竹) |
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前から見るとこんな感じです。(佐竹) |
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左側から見るとこうなっています。前回のMC20はマグネットに角度がついていましたが103はフロントヨークに角度がついています。(佐竹) |
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ポールピースとダンパー、コイル、カンチレバーの周辺です。(佐竹) |
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下からみたアップです。 ポールピースのカンチレバー側にあるネジを外すとカンチレバーがはずせます。(佐竹) |
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フロントヨークを外した所です。 マグネットとフロントヨークは接着剤でとまっていました。すこし力を掛けると簡単に外れます。(佐竹) |
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コイルの拡大です。 十字の鉄板にコイルが巻かれています。 写真では大きく見えますが、右の「棒」がカンチレバーの太さなのでかなり小さいものです。(佐竹) |
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前からみると十字の形がよく見えます。(佐竹) 出力電圧は0.3mVで使いやすい。(近藤) |
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前から。(佐竹) |
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カンチレバーを外すとこうなります。(佐竹) |
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ダンパーを外しました。(佐竹) |
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カンチレバーの拡大です。金色の部分がポールピースに入っていた部分です。(佐竹) |
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コイルの拡大です。コイルこんなに細い線を隙間無く綺麗に巻いています。(佐竹) |
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裏からみたコイルです。(佐竹) |
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さらにポールピースを外すとこうです。 ポールピースは接着剤でリアヨークにくっついています。(佐竹) |
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ポールピースとカンチレバーを外すともう磁石だけになります。コイルから出た銅線は一度永久磁石の真ん中当たりに接着剤でとめられてから端子の方へいっています。(佐竹) |
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ここまでくるともうバラバラです。 リアヨーク、マグネットともに軽く接着してあるだけなので簡単に取れます。 右がフロントで左がリアです。(佐竹) |
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針先以外の全てのパーツを並べるとこんな感じです。部品はかなり少ないです。 左上からハウジング下、ハウジング上、カンチレバー+コイル、永久磁石、左下に行ってリアヨーク、フロントヨーク、真ん中の豆のようなものがポールピースのネジ、緑のがダンパー、ポールピースとなってます。(佐竹) |
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2回続けてMCカートリッジの解体でした、ortofon MC20とDENON DL-103を比べると、パーツや構造はあまり大差がないように見えました。実際に音を聞き比べていないのでわかりませんが、中身はほとんど同じでも音はかなり違うのでしょう。部品も少なくある程度決まった構造なのに音が違うということはコイルに使われる銅線の巻き方が少し違うだけでも音に大きく影響が出てしまうほど繊細なものなんでしょう。おそらく素材の違いなども音にかなり重要なものになって来ると思います。手の抜きどころが全くないように思います。良いカートリッジをつくることは詰め将棋の世界の様なのだろうと思いました。(佐竹) DENONのステレオカートリッジは1960年NHKに採用されたPUC-7Dの流れを引き継ぐものであった。PUC-7Dは良好な音質あったが、適正針圧は6gであった。これではレコードの傷みが激しいのではないかと、軽針圧化が要求された。この要求に応えたのが1964年に製造されたDL-103であった。適正針圧は2.5g とレコードを傷める恐れもなくなった。評判が大変良くなったので1970年一般市販に踏み切った。16,000円という価格は当時にしてみれば大変高価であった。しかし、当時最高の音質と評価されていたFM放送クラスの音が、自分のものになるということは、大変な魅力でもあった。現在新品でも23,100円であるのは本当に嬉しい。また、周波数特性データを今でも添付しているのは、DENONのプロ用ブランドとして自負の表れでもあると思う。使い方は半導体ヘッドアンプでもよし、MCトランスでもよいと思うが、MM対応フォノイコライザーにダイレクト入力使用には無理があると思う。DL-103はDENONブランドが続く限り、超ロングランを伸ばし続けてほしいものだ。(近藤) |
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