ハイファイ堂メールマガジン

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こんにちは、ハイファイ堂レコード店の浅井です。最近、輸入盤のレコードがみぞれ混じりですが、入荷してきたレコード店。偶然にも、時期ズレのリーモーガン「サイドワインダー」が2枚入荷。早速の試聴記です。

さて、渦中のレコードです。左がLIBERTY。右がUNITED ARTISTSの盤です。

共に、VAN GELDER　STEREOの刻印が入っています。（写真では確認できませんが、溝とレーベルの間に打ってあります）これは、ヴァンゲルダーが録音だけでなく、原盤のカッティングまで関わったという証で、ブルーノート、LIBETY、UNITED ARTISTSと時代は違いますが、それぞれヴァンゲルダーのカッティング原盤を使って音質を保ってきたという経緯があります。どちらも、ヴァンゲルダー録音、ヴァンゲルダーカッティングとなれば、出てくる音は同じだろうと思いますが、ひとつ落とし穴があるのです。
	原盤からスタンパーを作ってそれでレコード盤を文字通りプレスしていくのですが、原盤は日を追うごとに劣化していきます。溝の深さも違ってきますし、ピッチの変化すら起こってくるでしょう。最終的には、最初のプレスとはまったく違った盤しか、作れなくなってしまうのです。
では、実際にはどれほど音が違うのでしょう。本題です。 UNITED ARTISTS盤から聞いてみましたが、第一印象は悪くないです。普通の盤と比べて、音が生き生きとしています。ひとつ、ひとつの音がどんなシステムで鳴らしてもそこで演奏しているかのように聞こえてしまう。ヴァンゲルダーの真骨頂とも言える音です。続いて、LIBERTY盤。音が出た瞬間に違うわー、と思いました。音の生きている印象はそのままに、躍動感が違う。たとえるなら、UA盤は老年のジャズ、LIBERTY盤は全盛期のモーガンの演奏といったところでしょうか。市場の価格の差は数千円くらいですが、この音の差は数倍のインパクトがあります。
やはり、レコードの世界は奥が深いです。自分にとっても刺激になる企画ですので（面白いんです、これが）、これからもお付き合い下さい。
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